2009年02月18日
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「春の小川」よりも興味を引かれる「代々木・千駄ヶ谷の小川」は玉川上水の水が流れていた

Written By: 川俣 晶連絡先


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 上図は、「代々木・千駄ヶ谷の小川」の上流部です。

 『特別展「『春の小川』の流れた街・渋谷 -川が映し出す地域史-」(図録) 白根記念渋谷区郷土博物館・文学館』第4章の地図掲載水路跡のラインを上流部より山手線を越える部分のラインに限ってプロットし、これに若干の補足を追加したものです。

  • 赤線は「早い時期に消滅したと思われる水路」
  • 青線は「戦前に暗渠になった部分
  • 水色線は「戦後に暗渠になった部分

個人的な思いの問題 §

 実は「春の小川」にも「河骨川」にも個人的に思い入れはありません。自分には微妙に縁遠い存在だからです。

 ところが、この「代々木・千駄ヶ谷の小川」はガラッと変わって身近な存在です。上記特別展図録で、そのことに驚かされました。

 まず、この小川は玉川上水から水を引いています。場所は何と良く知っている文化女子大です。

 東へ分岐する支流は新宿駅の南方面に延びていきますが、このあたりは代ゼミに通学している時代に新宿代々木間だけ電車に乗るのが面倒な時に歩いた場所です。

 そして、上図に2つ打ってある緑のピンは、それぞれ北がイースト株式会社の現オフィス、南がイースト株式会社の旧代々木オフィスです。いずれも仕事で行ったことがある場所です。

 昨日、たまたまイーストの下川さんに会って話をしましたが、2つのオフィスが過去の河川で繋がっているとは全く知らない様子でした。意外な偶然もあるものです。

 いや本当に、これを書いている私も驚いています。

余談・イーストとは? §

 イーストとは、「マイクロソフト戦記」にも名前が出てきますが、Windowsが「全く使い物にならない駄目ソフト」の烙印を押されて全く売れなかった時代に、日本でただ1社のWindows専業のソフトハウスとして存在し、日本語プリンタのドライバのほぼ全てを開発していた企業です。イーストが無ければ、日本のWindowsは普及することがあり得なかったでしょう。それだけ歴史的にインパクトのある存在です。

 しかし、トム佐藤の名前もイーストの名前も知らない人たちがしたり顔でWindowsの歴史を語ってしまっている事例は多いのが事実でしょうね。

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